間取りや設備が古い!相続マンション活用のためのリノベーション

売却・運用

相続マンションの活用方法に頭を悩ませている方は少なくありません。特に築年数が経過したマンションでは、間取りや設備が現代のニーズに合わず、そのままでは住みにくく、賃貸や売却の際に不利になることも。しかし、適切なリノベーションを施すことで、相続マンションの価値を大きく向上させることが可能です。

目的別リノベーションプラン

相続マンションのリノベーションを考える際、まず明確にすべきは「何のために」リノベーションするかという目的です。目的によって最適なリノベーションのプランは異なります。

あなた自身で住む場合のリノベーション

あなた自身が住む予定なら、自らのライフスタイルや好みに合わせた変更が可能です。この場合、構造上の制約はありますが、比較的自由度の高いリノベーションが実施できます。

キッチンとリビングの一体化(LDK化)
古いマンションでは、キッチンとリビングが壁で仕切られている間取りが一般的です。この壁を取り払い、オープンなLDK空間にすることで、家族とのコミュニケーションがとりやすく、開放感のある住空間を叶えられます。

和室から洋室へ
和室は現代の生活において使い勝手が悪いと感じる方も多いでしょう。畳をフローリングに変更し、洋室化することで使い勝手が向上します。一方で、和室を残しておくことには、客間や寝室として多目的に使えるというメリットもあります。

水回りの更新
古いマンションでは水回りの老朽化が著しいケースが多いです。バスルーム、トイレ、キッチンの設備を最新のものに更新することで、快適性と省エネ性を一気に向上させることができます。特に断熱性の高い浴室や節水型トイレは、長期的に見ると光熱費の削減にもつながります。

ライフステージを踏まえた計画
将来の生活スタイルの変化を見据えたリノベーションも重要です。たとえば、子どもが独立した後に余った部屋を趣味のスペースに転用できる柔軟性のある間取りや、将来の高齢期を見据えたバリアフリー化が考えられます。一度の投資で長期間住み続けられる住環境を整えることで、将来的なコスト削減も達成できます。

賃貸・売却を見込む場合のリノベーション

賃貸や売却を目的とする場合は、入居者のニーズと市場性を重視したリノベーションが必要です。

ニュートラルなデザイン
特定の好みに偏ったデザインは避け、多くの人に受け入れられるニュートラルな色使いや素材選びを心がけましょう。白や木目調など、シンプルで清潔感のあるデザインが安定した人気を誇ります。

収納スペースの拡充
特に都市部の住宅需要においては、収納力が重視されます。クローゼットの拡張や壁面収納を設置する改修は、賃貸物件の競争力を高めるうえで効果的です。特に玄関周りの収納や、洗面所の収納は入居者に喜ばれます。

キッチンの交換
キッチンは物件の印象を大きく左右します。全面的な交換が難しい場合でも、キッチンパネルの張替えや、シンクや水栓の交換だけでも印象が随分と改善されます。特に、油汚れが付着しやすく、経年が見た目にわかりやすいレンジフードの交換は効果的です。

インターネット環境の整備
現代の入居者にとって、高速インターネット環境は必須条件といえます。Wi-Fi完備物件や光回線導入済み物件は、特に若年層の入居者から高い支持を得られます。リノベーションと呼ぶにはやや違和感がありますが、比較的低コストで効果が高い設備投資の一つです。

費用対効果を高めるリノベーションの実践ポイント

リノベーションは費用対効果を意識して計画することが重要です。予算内で最大の効果を得るためのポイントについて解説します。

構造体を活かしたリノベーション

マンションでは構造上の制約があります。躯体(柱・梁・壁など)の多くは移設や撤去ができませんが、この制約を逆手にとることを考えます。

柱や梁を現したデザイン
構造上どうしても残さなければならない柱や梁を隠すのではなく、あえて露出させてデザイン要素として活用する手法が、近年人気を博しています。材料の質感を活かした工業的なデザインや、木材や樹脂素材でカバーした温かみのあるデザインなど、様々なアプローチが可能です。

可動式間仕切りの導入
固定の壁を設けるのではなく、可動式の間仕切りやカーテン、家具を使った空間分けを行うことで、フレキシブルな空間利用が可能になります。将来のライフスタイルの変化にも対応しやすく、リノベーションコストを抑える効果もあります。

既存設備の活用
配管の位置を大きく変更すると工事費用が高額になりがちです。キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りは、既存の配管位置を活かした計画を立てることでコストを抑えられます。特に上下階への影響が大きい排水管の移設は極力避けるのが賢明です。

予算投入の選択と集中

限られた予算で最大の効果を得るためには、予算を投入する箇所に優先順位をつけることが重要です。

キッチンの部分交換
キッチン全体の交換は高額になりがちですが、水栓やシンク、収納扉のみの交換でも印象は大きく変わります。特に扉材の交換は比較的低コストで可能なため、費用対効果が高い改修の一つです。

照明器具の見直し
古いマンションでは、照明器具が現代の生活スタイルとミスマッチな傾向があります。たとえば蛍光灯をLED照明に変更する、さらには間接照明や調光機能を追加することにより、少ない投資で空間の質を大きく向上させることができます。

設備機器のグレード
キッチンやバスルームなどの設備機器は、様々なグレードが存在します。必要以上にグレードにこだわらず、手ごろな価格帯のグレードの製品を選ぶことで、品質と価格のバランスが取れたリノベーションが可能になります。特に自分で使用するわけではない賃貸や売却を目的とする場合は、過剰な投資を避けるべきでしょう。

床材の選択
床材は空間の印象を大きく左右する要素です。高級無垢材にこだわらなくても、近年は品質の高いフローリング材が多く販売されています。メンテナンス性や耐久性も考慮して選ぶことで、長期的なコストパフォーマンスを高めることができます。

リノベーションの際の段取りと注意点

リノベーションを行う際は、必要となる段取りや注意点を確認しておくことが重要です。

管理組合への申請
多くのマンションでは、リノベーション工事に際して管理組合への申請が必要です。特に構造や外観に影響する改修は、詳細な図面や工事計画の提出が求められることが一般的です。申請から承認までの期間を考慮し、余裕をもったスケジュールを設定することが重要です。

騒音・振動への配慮
工事の際は騒音や振動が発生するため、近隣住戸への事前の挨拶や説明は欠かせません。工事期間中の作業時間帯の配慮や、共用部の養生など、トラブルを未然に防ぐための対策を講じましょう。

予算管理のコツ
リノベーション工事では想定外の追加工事が発生することもあります。そこで、総予算の10~15%程度は予備費として確保しておくことをお勧めします。また、工事費用の見積書において「一式」と記載されている項目については、具体的な内訳を確認するようにしましょう。

保証・アフターサービスの確認
施工会社の保証期間やアフターサービスの内容も重要な確認事項です。特に水回りなど、不具合が生じやすい箇所については、ある程度長い期間の保証が付いていることが確認できていると安心です。

股抜きナツメグ

40代の男性会社員。都内で親のマンションを相続したことをきっかけに、相続マンションを取り巻く複雑怪奇な問題に直面。今後起こり得る事態への不安や、売却や賃貸といった判断の難しさに悩まされた経験から、本サイトでの情報発信を開始。

股抜きナツメグをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました